「空飛ぶタイヤ」の実話で赤松運送と被害者遺族の結末が悲しすぎる!【ネタバレ注意】

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目次

はじめに(ネタバレ注意)

この記事は、『空飛ぶタイヤ』のネタバレを含みますので、

結末を知りたくない方は、ご注意下さいね!

 

タイヤが飛んで人が亡くなった実話

映画『空飛ぶタイヤ』

TOKIOの長瀬智也さん主演で

2018年6月15日に公開されます。

 

この映画は、TBS系列のドラマ『半沢直樹』や、

『下町ロケット』『陸王』などで

軒並み高視聴率を叩き出しまくった、

池井戸潤さんの小説が原作です。

 

とは言え、もともとこの『空飛ぶタイヤ』は、

「トレーラーのタイヤ脱落による母子3人死傷事故」

という実話がベースとなっております。

どんな事故だったの?

神奈川県横浜市瀬谷区の中原街道で

2002年1月10日に起きた交通事故。

 

当時4歳だった長男と1歳だった次男を連れ

ベビーカーを押して歩道(ガードレール無し)を歩いていた

主婦・岡本紫穂さん(当時29歳)に、

三菱ふそう製の大型トレーラーから外れたタイヤが直撃。

 

紫穂さんは亡くなり、幼児2人は手足に軽症を負った。

(三菱ふそうは、三菱自動車内のバス・トラック部門だったが

現在は分社化され、三菱ふそうトラック・バス株式会社となっている。)

 

この事故、ご記憶のかたも多いのでは?

 

「まさか、タイヤが外れて人が亡くなるなんて!」

 

当時はものすごく衝撃的だったので、

私の記憶にも鮮明に残っている交通事故です。

 

Amazonプライム会員はWOWOW版『空飛ぶタイヤ』が無料!

実は、この『空飛ぶタイヤ』は、

今回の映画化よりもずっと前に、

WOWOWで連続ドラマとして放送されていました。

 

その際、最優秀賞・グランプリ等のドラマ部門タイトルを

4つも受賞しています。

 

そのWOWOW版『空飛ぶタイヤ』は

現在(2018年5月時点)Amazonプライム会員なら

全話無料で試聴できます!

WOWOW版の『空飛ぶタイヤ』も

ぜひ試聴されてみてはいかがでしょうか?

映画版とは違った結末が観られるかも知れませんよ!

 

私はGW中に、試しに1話だけ観るつもりが、

すぐに引き込まれて、とうとう1日で全話観ちゃいました!

 

WOWOW版ドラマ『空飛ぶタイヤ』では、

中小企業である主人公側(赤松運送)が

大企業・ホープ自動車に勝利するという

小気味良い終わり方をしました。

 

ところが!

「実話は悲しい結末だった。」

ということを知りました。

 

そこで、この『空飛ぶタイヤ』のベースとなった実話では、

どのような結末を迎えたのかいろいろと調べてみました。

 

長瀬智也さん主演の映画版はまだ公開前ですので、

ここでは、WOWOW版の『空飛ぶタイヤ』のストーリーと

実話の結末を照らし合わせてみようと思います。

 

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実話は悲惨な結末!赤松運送

 

物語では赤松運送」と呼ばれている、

トレーラー脱輪事故を起こした運送会社ですが、

無実だったことで、社名は公表されておりません。

 

そのため何を調べでも、実名は出てきません。

 

あえて知る必要もないのですが、そうなると毎回、

“タイヤ脱輪事故を起こした会社”

なんて書かなきゃいけなくなります。

 

それはちょっと大変なので、ここでは物語と同じ名称、

会社名 → 赤松運送

社長の名前 → 赤松社長

を使わせていただきますね。

 

WOWOW版『空飛ぶタイヤ』

● 赤松運送は何台ものトレーラー・トラックを持つ、

そこそこ大きな運送会社で描かれいる。

● トレーラー脱輪時に運転していたのは従業員。

● 整備を行っていたのは若手の従業員。

● 赤松社長は赤松運送の無実を自ら証明した。

 

ドラマの赤松自動車は、

大きな取引先を次々と失って、倒産という危機が

目の前まで迫ってきます。

 

でも、自宅への嫌がらせに関しては、

あっさりと描かれていました。

 

赤松社長の、小学生の息子が

クレーマー気質の母親を持つクラスメイトから

いじめを受けたシーンはありましたが、

その母親が、嫌がらせの首謀者であることがバレて、

いじめも一件落着。

 

妻も夫を信じ、風評被害に

気強く立ち向っていくようになります。

 

実話では

● 実話では、会社の規模はずっと小さな運送会社。

● 事故当時、ハンドルを握っていたのは赤松社長ご本人。

● トレーラーの整備を行ったのは誰なのか不明。

● 赤松社長が三菱自動車工業の不正に立ち向かったという記録は全く無く、赤松運送はすぐに立ち行かなくなり、廃業となった。

 

社長がハンドルを握っていた張本人のため、

脱輪事故の後は社長宅の壁に、

ひどい中傷が書き込まれたビラが貼られたり、

無言電話に怯えたりと、

それはもう大変な思いをしたようです。

 

当然、事業は成り立たず、廃業する結果になりました。

 

WOWOW版『空飛ぶタイヤ』

● ホープ自動車のリコール隠し発覚後、被害者遺族は赤松社長への民事訴訟を取り下げた。

● 被害者の夫は、ホープ自動車への損害賠償請求は行わなかった。

 

実話では

● 損害賠償金+慰謝料として、赤松社長は被害者の夫とふたりの息子に

約7,014万5千円を支払っている。

(自動車保険からの支払い。尚、損害保険会社では、

その賠償金は三菱自動車が負うべきものとして、

三菱自動車に請求しています。)

● 長女を亡くして精神的苦痛を訴えていた、被害者・紫穂さんの母親に対し、

慰謝料200万円を支払っている。

 

(えっ?どうして被害者のお母さんに慰謝料?)

いくら娘を失った母親とは言え、

結婚して別世帯の娘の母親が慰謝料をもらえるの・・・?と、

不思議に思えました。

 

慰謝料が認められた明確な理由は、

探し出せなかったのですが、

もしかしたら被害者の母親は、

残された4歳と1歳の孫の世話を

今後引き受けることになったのかも知れません。

 

年を取ってから幼児と乳児の育児という

大変な労力を考慮した上での慰謝料なのかも知れません。

(私の勝手な推測ですが)

 

WOWOW版『空飛ぶタイヤ』

● 赤松運送は名誉挽回後、大口取引先も戻ってきて、以前にも増して商売繁盛となった。

 

実話では

● 赤松社長は廃業のあと溶接会社に転職するが、この転職先で低温やけどになり、

左足の指3本を切断する羽目になる。

● その後、配送の仕事を始めた。

 

上記は、三菱自動車工業に有罪判決が下った頃の

今から10年以上前の情報ですので、

現在はどうされているのかは不明です。

 

事故当時のご年齢が50歳代後半ですので

16年経過した現在は、70歳代前半ぐらい

ということになります。

 

リコール隠しに対し三菱自動車に有罪判決が下された後も

(自分が人ひとりの命を奪った事には変わりない。) と、

常に自責の念にとらわれ続けたそうです。

 

責任感の強いかただったんですね。

 

ドラマはハッピーエンドで終わりました。

でも現実って、物語のように甘くはなかったようです。

 

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タイヤ脱輪事故 被害者遺族の二重の被害

一方、脱輪したタイヤで亡くなった主婦・紫穂さんの遺族も

罪を認めようとはしない三菱自動車側に苦しめられる

日々が続いたようです。

 

リコール隠しに関わった三菱自動車の元重役達に

有罪判決が下るまで、

事故発生から約6年もかかりました。

 

4歳だった長男が10歳。1歳だった次男が7歳。

本当に長い歳月でしたね。

 

被害者家族の事情も『空飛ぶタイヤ』と実話は

大きくことなります。

 

先ほどの繰り返しになりますが

     ↓

WOWOW版『空飛ぶタイヤ』

● ホープ自動車のリコール隠し発覚後、タイヤ脱輪事故被害者の夫は赤松運送への訴訟を取り下げた。

● 「前を向きたい。」と言って、ホープ自動車への訴訟は行わなかった。

 

実話では

● トレーラー運転手(赤松社長)・三菱自動車工業・国に対し、

損害賠償金と慰謝料を請求している。

● 三菱自動車工業に対し通常の損害賠償金6,550万円に加え、

「制裁的慰謝料」として別途に1億。計1億6,550万円を請求している。

 

ドラマには登場しませんでしたが、

タイヤで亡くなった主婦の母親も精力的に動いたようです。

 

実話では、

● トレーラー運転手であった赤松社長

● リコール隠しを行った三菱自動車工業

● 欠陥のあるトレーラーの車検を通した「国」

に対して、損害賠償金と慰謝料の請求を行っています。

 

強欲弁護士の裏切り

被害者・紫穂さんの母親は自分が依頼した、

青木勝治弁護士から痛い目に遭いました。

 

それは、

「制裁的慰謝料を含む、1億6,550万円を三菱自動車に請求」

したことが問題でした。

「制裁的慰謝料」は悪性の強い行為をした加害者に対し、

実際に生じた損害の賠償に加えて、

さらに賠償金の支払を命ずることにより、

①加害者に制裁を加え、かつ、

②将来における同様の行為の抑止を目的とするものです。

アメリカで広く認められているもので、

容認されれば日本で初のケースになります。

この「制裁的慰謝料」がらみで

被害者の母親は青木弁護士から、

正に裏切り行為とも言える目に遭うのです。

 

三菱自動車に対する損害賠償請求は・・・

当初、550万円を請求(うち50万円が弁護士費用)

 

ところが!

青木弁護士は三菱自動車のリコール隠しが明らかになると、

途中で「制裁的慰謝料」を加えた1億6,550万円に損害賠償請求を増額。

増額することについて、

依頼人である被害者の母親に説明・確認をせず、

委任状を偽装して手続きを行っていたのです。

 

そして、

1億6,550万円から弁護士費用を2,110万円と勝手に算定した。

 

裁判では「制裁的慰謝料」は認められず、

最高裁で三菱自動車の550万円の支払いが確定しました。

結果的に三菱自動車から支払われたのは、遅延損害金を含む667万円。

※遅延損害金というのは、裁判が長引いて

賠償金の支払いが遅れたことによる

延滞料みたいなものです。

 

ところが青木弁護士は、

弁護士費用は2,110万円だから、この667万円はその支払い費用に充当する。

と言って、依頼人である被害者の母親に

667万円を渡さなかったのです。

 

つまり、

あと1,443万円の弁護士費用を支払え!

ってことです。ひどい話ですよね!

 

そこで母親は弁護士会にこの件を相談。

 

この結果、青木弁護士は、

6ヶ月の業務停止の懲戒処分

となりました。

 

依頼した弁護士が勝手に1億6,650万円を請求したことで

被害者の母親は、

「タイヤ事故で娘を失った可愛そうな母親」

から、

「大企業相手に大金に目がくらんだ母親」

と、陰口をささやかれた。

ネットなどでも、母親に対して

同情から非難へと、評判を落としたようです。

まさに二重の被害です。

 

最後に

ドラマや映画と違って、

現実って、なかなかスカッとしたエンディングを

迎えることはありませんよね。

 

だからこそ、せめてフィクションの世界では

巨悪を成敗してスカッとしたいと思うのが、

原作者・池井戸潤さんの作品の根幹かも知れません。

 

飛んできたタイヤで怪我を負った2人の息子さんたちは現在、

長男は社会人か大学生、

次男は高校生になっていると思います。

 

6月に公開される映画に対して、

どのような気持ちになるのかなぁ・・・と、

ふと感じた私でした。